ネットや美容メディアで頻繁に語られる「京都の舞妓さんは胸元を帯で固く締めているから、真夏でも顔に汗をかかない」という言説。この舞妓の高帯汗止め効果の真相は、単なる都市伝説ではなく、生理学的に証明された「半身発汗(皮膚圧反射)」という現象に基づいている。
人間の身体には、皮膚の一部を強く圧迫すると、その圧迫された側と同一部位の発汗が抑制され、反対側に発汗が増加するという生体反応が備わっている。胸の上部を帯や紐で強く圧迫すると、圧迫帯より上部(首や顔面)の発汗が抑えられる反面、圧迫帯より下部(背中や腰、下半身)の発汗が増加する。
ただし、現場の専門医はこの手法を日常的に過信するリスクに警鐘を鳴らす。汗そのものが消滅するわけではなく、下半身へと発汗部位が移行する「代償性発汗」が生じるため、下着の蒸れや脱水、血行不良を招く恐れがある。現代のビジネスシーンで常に胸部を強く縛り続けるのは現実的ではなく、あくまで一時的な緊急措置として理解しておくのが賢明である。