コロンビアのホームタウン、バランキージャにあるエスタディオ・メトロポリターノ。気温35度、湿度80%を超える熱帯の要塞には、黄色のユニフォームで埋め尽くされた熱狂的なサポーターが集結します。現地特派員の取材によると、スタンドからは「今の代表はペケルマン時代よりもタフで、決して最後まで諦めない」という誇らしげな声が聞かれます。
一方で、日本のSNSやネットコミュニティでは「コロンビアはハメスが抑え込まれれば脆いのではないか」「ハメス・ロドリゲスの個人技頼みのチーム」という論調が散見されます。しかし、綿密な戦術分析と現場のデータはこの言説が完全な誤解であることを証明しています。
ロレンソ監督は、ハメスが厳しいマンマークを受けた際、彼を意図的に囮としてサイドへ流し、空いたバイタルエリアにインサイドハーフのリチャード・リオスや右ウイングのジョン・アリアスを斜めに飛び込ませる「セカンドウェーブ戦術」を徹底的に仕込んでいます。さらに最前線にはジョン・ドゥランら屈強なストライカーが控え、相手DFラインを力ずくで押し下げることが可能です。ハメスという稀代のコンダクターを最大限に生かしつつも、特定の1人に依存しない多角的な攻撃ルートを構築した点にこそ、現代コロンビア代表の真の凄みがあります。