本作が記録的ヒットとなった背景には、俳優陣による凄まじい演技合戦があります。特に主演を務めた綾野剛の繊細な心理描写は圧巻で、家族を奪われた過去の絶望と、詐欺の現場で冷徹に立ち回る緊張感のギャップを見事に表現しました。
そして、圧倒的な存在感を放ったのが豊川悦司です。紳士的な佇まいから一転、獲物をいたぶるように追い詰める眼光、そして「もっともフィジカルで、もっともプリミティブで、そしてもっともフェティッシュなやり方でいかせていただきます」という狂気に満ちた名セリフは、視聴者に強烈な衝撃を与えました。
さらに、ピエール瀧演じる後藤が取引成立の瀬戸際で言い放つ「もうええでしょう」というセリフは、緊迫感を緩和させつつ相手を丸め込むキラーフレーズとして社会現象化。山本耕史が演じた青柳の、プレッシャーに追い詰められていく焦燥感と傲慢さのリアルなグラデーションも絶賛され、各キャストがキャリア史上屈指のハマり役を演じ切っています。