初夏を迎える6月の海や川では、水温上昇と日照時間の変化に伴い、水生生物の生態系が活発化します。特に6月に旬を迎える魚たちは、冬の魚のような身の締まりとは異なり、しっとりとした上品な脂と力強い旨味の共存が際立ちます。
水産関係者の間でも評価が高い魚種が6月の旬の魚 イサキです。「梅雨イサキ」の異名を持つ通り、麦の収穫期(麦わらイサキとも呼ばれる)から梅雨時にかけて抱卵期を迎え、皮下に真っ白な皮下脂肪をたっぷりと蓄えます。この時期のイサキは「鯛を凌ぐ旨さ」と称され、刺身にした際の上品な甘みと炙りによる香ばしさは他の追随を許しません。
大衆魚の代表格である6月の旬の魚 アジ(マアジ)も、6月から7月にかけて年間最大の脂の乗りを見せます。春先に生まれたプランクトンを豊富に捕食したアジは、体長20cm前後の中羽サイズを中心に身肉の旨味が極限まで凝縮されます。
さらに、初夏の風物詩として外せないのが6月の旬の魚 鮎(アユ)です。6月1日を中心とする全国主要河川の友釣り解禁に伴い、清流の珪藻(けいそう)を食んで育った「若鮎」が市場へ出回ります。スイカやキュウリに例えられる独特の芳香(香魚と呼ばれる所以)と、骨が柔らかく丸ごと食べられる爽やかな苦味は、初夏ならではの贅沢です。
加えて、東京湾や瀬戸内海で水揚げされる6月の旬の魚 アナゴ(マアナゴ)や、白身の王様として知られる6月の旬の魚 スズキも外せません。梅雨の雨水によって沿岸部に豊富なプランクトンが供給され、それを食べたアナゴやスズキは身がふっくらと肥え、洗練された旨味を放ちます。