島根県が生んだ映画監督・錦織良成氏がメガホンを取った映画『たたら侍』。日本刀の原料となる「玉鋼(たまはがね)」を生み出す門外不出の製鉄技法「たたら吹き」を描いたこの作品は、モントリオール世界映画祭をはじめ海外で高い評価を獲得した。そして今、その文化的遺産が新たなフェーズを迎えている。
現在、NetflixやAmazon Prime Videoなどのグローバル配信プラットフォームを通じて作品が世界中で視聴可能となったことで、映像ロケ地としての雲南市に海外のクリエイターや映画ファンが熱烈な視線を注いでいる。劇中で描かれた重厚なオープンセットの跡地や、実際のたたら製鉄の歴史を伝える施設への来訪者が後を絶たない。
映像コンテンツを起点とした地方創生の成功例として、雲南のモデルは国内外から注目を集める。単なる一過性の聖地巡礼で終わらせず、奥出雲の鉄の歴史と職人文化を深く学ぶアカデミックなツアーへと昇華させた手腕は見事というほかない。