今回、独自取材によって入手したプロの最新調理メソッドは、従来の面倒な粉振り作業を過去のものにする驚きの手法だ。合言葉は「肉を詰めない」こと。逆転の発想が、ジューシーな旨味を閉じ込める決定打となった。
その極意とは、「ピーマンを輪切りにし、タネごと肉だねに埋め込む」という新アプローチである。
縦割りにするのではなく、ピーマンを2〜3cm幅のリング状に輪切りにする。そして最大のポイントは、ワタと種を捨てずにそのまま残すことだ。ワタは繊維質が網目状になっており、肉だねを抱き込む強力なアンカー(錨)の役割を果たす。さらにワタに含まれるピラジンなどの香り成分が合挽き肉の脂っぽさを打ち消し、驚くほど爽快な旨味へと昇華させる。
工程は極めて明快だ。ボウルで練り上げた肉だねを等分し、輪切りにしたピーマンの内側へ、ワタを包み込むようにギュッと押し込む。両面から肉がピーマンのフチをわずかに覆うように成形すれば、小麦粉や片栗粉を一切まぶさずとも、物理的に肉が外れようがない強固な構造が完成する。
焼き方にもプロの知恵が宿る。フライパンに油を引いて中火で熱したら、まず片面にしっかりとした焼き色をつける。ひっくり返した直後、大さじ1杯の酒を回し入れて即座にフタをし、弱火でじっくり蒸し焼きにする。このスチーム効果によって、ピーマンの瑞々しい水分が蒸発するのを防ぎつつ、肉の中心温度を一気に引き上げ、肉汁を内部に強固に閉じ込めるのだ。