赤く腫れ上がり、痛みを伴う炎症性ニキビに対しては、スピード感を持った消火活動が求められる。放置すれば真皮層に不可逆なダメージを残し、クレーター状の瘢痕(ニキビ跡)へ直結するからだ。
この局面で投入されるのが、リンコマイシン系抗菌薬である「クリンダマイシン(商品名:ダラシンTゲル等)」や、過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンを掛け合わせた「デュアック配合ゲル」などの外用薬だ。アクネ菌のタンパク質合成を阻害し、赤みと腫れを急速に鎮静化させる。
さらに顔全体や背中・胸元にまで多発する中等症以上のケースでは、ドキシサイクリンやミノサイクリンといった「抗生物質内服薬」を短期間併用する。外側からの塗布だけでは届きにくい毛包の深部に血流を介して直接到達させ、炎症の連鎖を断ち切るのが狙いだ。耐性菌リスクを回避するため、炎症が引いた段階で速やかにアダパレン等の維持療法へバトンタッチする設計が徹底されている。