日本国内における信徒の伸び悩みが指摘される一方で、国境の外側に目を向けると全く異なるダイナミズムが広がっている。1975年にグアムで結成された創価学会インタナショナル(SGI)は、現在世界192カ国・地域にまでネットワークを拡大した。特筆すべきは、海外の信徒の多くが日系人コミュニティにとどまらず、各国の現地住民によって構成されている点にある。
欧米や南米、アフリカにおいて、SGIは単なる東洋の神秘主義としてではなく、個人のエンパワーメントと人種・階層の壁を越えたコミュニティ形成の実践法として受け入れられた。ジャズの巨匠ハービー・ハンコックやウェイン・ショーター、ロック歌手のティナ・ターナーといった著名な文化人が入信を公言したことも、国際的な受容を後押しした。SGIは国際連合のNGO(非政府組織)としても登録され、核兵器廃絶や気候変動対策、人権教育に関する提言活動を継続的に展開。ローカルな日本の新宗教という枠組みを軽々と飛び越え、グローバルな市民社会のプラットフォームとして認知されている現実は、国内の固定的な視点からは見落とされがちな側面だ。