丘陵地に位置するこの広大な緑地は、かつてゴルフ場開発などの計画が持ち上がった歴史を持つ。開発の手が止まった後、荒れ果てた土地を憂慮した地元有志が立ち上がり、保全活動の第一歩を踏み出した。
活動の中核を担ってきたのが「きずきの森きづく会」と、行政や関係団体で構成される「北雲雀きずきの森保全管理協議会」だ。単に自然をそのまま放置するのではなく、下草刈りや間伐、竹林の整備などを地道に重ねてきた。この官民一体となった里山再生事業の結実により、荒れたヤブは多様な生物が集う明るい雑木林へと生まれ変わったのだ。都市近郊に残されたこの空間は、ただの緑地ではなく、人々の熱意と労力によって守り継がれてきた生きた遺産といえる。