SNSやファンのコミュニティでは「出場枠が48カ国に増えたことで、日本代表の予選突破は確実であり、大会全体のレベルも下がるのではないか」という声が散見されます。しかし、スポーツビジネスや現代サッカーの構造を深掘りすると、これは危険な先入観です。
確かに予選突破の間口は広がりましたが、本大会の過酷さは過去最高レベルに達しています。参加国増加に伴い、決勝トーナメントには「ラウンド32(ベスト32)」が新設されました。これにより、目標であるベスト8以上に進出するためには、従来より1試合多い合計8試合を戦い抜く必要が生じます。
さらに、北中米3カ国を跨ぐ数千キロの長距離移動、気温差・標高差への適応など、コンディショニング面のリスクは過去のどの大会よりも跳ね上がっています。グループステージを突破しても、一発勝負のノックアウトステージが1試合増えることは、ジャイアントキリング(大番狂わせ)の確率を高める要因にもなります。「枠が広がったから楽になった」のではなく、「頂点への道のりがより複雑かつ過酷になった」というのが現場の一致した見解です。