法的な観座に立つと、既婚者の根拠は民法第739条に集約される。すなわち、法務省が管轄する戸籍法に基づき届出を行うことで成立する身分関係だ。事実婚や同棲と法律婚を分かつ決定的な壁は、この一枚の紙と法制度の介入にある。
最大の違いは「国家が与える特権と義務のパッケージ」の有無だ。未婚のカップルがどれほど長く同居し、経済を共にしていようと、自動的に配偶者の法的地位を得ることはできない。対照的に既婚者には、同居・協力・扶助の義務(民法第752条)が課される一方で、強力な身分保障が与えられる。個人の自由契約では到底再現できない強固な枠組みこそが、既婚者というステータスの本質といえる。