検索窓に「自分の機嫌は自分で取る」と入力すると、関連ワードに「疲れた」「うざい」が上位に並ぶのが現在のリアルな空気感です。共感の言葉だったはずのフレーズが、なぜここまで反発を買っているのでしょうか。
最大の要因は、他者への不当な押し付けにあります。例えば、職場で日常的に不機嫌を撒き散らす上司が、部下に対して「自分の機嫌くらい自分で取れよ」と言い放つような倒錯したシチュエーションです。本来は「自分が他人に八つ当たりしないための戒め」であるはずの言葉が、他人の不条理な態度を我慢させるための道具として悪用されています。言われた側が「うざい」と感じるのは至極当然の防衛反応です。
真面目で責任感の強い人ほど、「落ち込んではいけない」「早く機嫌を直さなきゃ」と感情にフタをしてしまいます。悲しみや怒りを無視して空元気を演じ続ければ、心のエネルギーは枯渇します。「自分の機嫌を取ることに疲れた」という声は、限界を迎えた心が発する悲鳴そのものです。