座薬が威力を発揮するのは、単に熱を下げる時だけではない。激しい吐き気や嘔吐を伴う胃腸炎、あるいは意識が朦朧としている時など、経口服薬が困難な病状において真価を発揮する。
例えば、激しい嘔吐で水すら飲めない患者に対して、抗制吐薬(吐き気止め)の座薬を投与すれば、胃腸を刺激することなく症状を緩和できる。また、がん末期患者の激痛緩和や、術後の強力な痛み止めとしても多様な成分の製剤が使われている。解熱鎮痛剤を短期間で連続使用すると胃粘膜を荒らすおそれがあるが、直腸からの吸収であれば胃への直接的な負担を大幅に軽減できる点も大きなメリットである。