魚焼きグリルと一口に言っても、キッチンの熱源(ガスかIHか)や、グリルのバーナー配置(片面焼きか両面焼きか)によって、その温度推移や調理特性は大きく異なります。それぞれの長所と注意点を把握しておくことが、失敗を防ぐ最大の鍵となります。
ガスコンロとIHグリルの火力を比較した場合、瞬発的な最大温度と表面を焦がす香ばしさの創出では依然としてガス火に分があります。ガスの燃焼熱は微量の水分を含みつつも高熱の遠赤外線を放射するため、表面はカリッと仕上がります。一方のIHグリルは、近年「ラクッキングリル」をはじめとする平面ヒーター技術が進化し、300℃近い高温をフラットに維持できるようになりました。焼き網を廃止したモデルも多く、庫内の拭き掃除が極めて容易という独自の強みを持っています。
また、片面焼きと両面焼きの差は単なる「手間の差」だけではありません。両面焼きは上下のバーナーから同時に挟み撃ちにするため、庫内温度の立ち上がりが片面焼きよりも約30%早く、調理時間を大幅に短縮できます。ただし、両面焼きは上下から強い熱が入るため、焼き網に魚の身が焼き付きやすい傾向があります。点火前に網へサラダ油やお酢を薄く塗る、あるいは後述するグリルパンを取り入れるなどの工夫が有効です。