キーボードの変換履歴を消去しようとしても候補から消えてくれない場合、端末が言葉を記憶する「場所」を誤認しているケースが大半です。現代の入力システムは単一のメモリではなく、複数の層で語彙を管理しています。履歴がゾンビのように復活する背景には、主に3つの盲点が存在します。
第1の盲点は、「入力学習履歴」と「登録済み単語(ユーザー辞書)」の混同です。キーボードが自動学習した一時的な変換候補はリセット操作で消去できますが、過去に自分で単語登録したものや、連絡先アプリと自動連携された人名・住所データは学習リセットの対象外となります。これらは辞書設定から直接削除しない限り、永久に候補として表示され続けます。
第2の盲点は、アカウント連携によるクラウド同期です。GoogleアカウントやApple Account、サードパーティ製キーボードの独自アカウントで同期がオンになっている場合、手元の端末でキャッシュをクリアしても、クラウド上にバックアップされた学習データが即座に再ダウンロードされてしまいます。
第3の盲点は、ブラウザや検索エンジンの「検索サジェスト」との混同です。SafariやGoogle Chromeの検索バーに文字を打ち込んだ際に出る候補は、キーボードの予測変換ではなく「Webサービスの検索履歴」であるケースが多々あります。この場合、キーボードをどれだけ初期化してもブラウザ側のCookieやアクティビティを消さない限り消えません。