「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」という長大な名称は、数百年におよぶ政治的統合と分離のドラマを経て完成しました。
中世から近世にかけて、強大な力を持ったイングランドは隣接するウェールズを併合。その後、1603年にスコットランド国王ジェームズ6世がイングランド国王を兼任する「同君連合」が成立し、1707年の合同法によって「グレートブリテン王国」が誕生しました。この時点で、グレートブリテン島内の3地域がひとつの国家にまとまります。
さらに1801年、隣のアイルランド全土を併合し、国名は「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」へと拡大しました。しかし20世紀初頭、カトリック系を中心とするアイルランド南部が激しい独立闘争の末に「アイルランド自由国(現在のアイルランド共和国)」として独立を果たします。
この結果、プロテスタント系住民が多数派を占めていたアイルランド島北東部のみが連合王国に留まることになり、1927年に現在の正式名称である「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」へと改称されました。つまりこの名前は、島々の統合と分離の歴史をそのまま正確に記述した看板なのです。