日本語で定着している「イギリス」という呼称は、戦国時代末期にポルトガル語の「Inglez(イングランド人)」が転訛した言葉であり、本来は4つの構成国のうちの1つである「イングランド」のみを指す言葉に由来します。しかし、国際法上の主権国家としての正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」です。
地理的概念と国家の枠組みを整理すると、その違いは明快になります。「グレートブリテン」とは、イングランド、スコットランド、ウェールズが位置する最大の島を指す地理的名称です。そこにアイルランド島の北東部(北アイルランド)が加わることで、現在の「連合王国(UK)」が成立しています。
ここで使われる「カントリー(Country)」という概念は、主権国家(Sovereign State)とは異なり、固有の歴史・文化・法体系・言語的ルーツを持つ「構成国」を意味します。単なる地方自治体ではなく、かつて独立国であった歴史的プライドを保持したまま一つの主権のもとに共存している点が、連合王国の統治構造における最大の特徴です。