男二人に女一人?「嬲る」の正しい意味と嫐るとの違いを徹底解説

男二人に女一人?「嬲る」の正しい意味と嫐るとの違いを徹底解説

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「嬲る」と対比される難読漢字に「嫐る(うわなり・なぶる)」がある。「嬲」が女を男二人が挟むのに対し、「嫐」は男一人を女二人が挟み込む構造を持つ。この二つの差異は、日本語の表現史において極めて興味深い。

「嫐」の訓読みである「うわなり」は、古くは「後妻」を指し、先妻(こなみ)が後妻の家を襲撃する中世の風習「後妻打ち(うわなりうち)」に由来する。つまり「嫐」には、嫉妬や女性同士の確執、愛憎の葛藤という強烈な文脈が内包されていた。

近代の文豪たちも、この二文字の持つ陰影を巧みに使い分けた。『青空文庫』で参照できる日本近代文学の名作群を見ても、夏目漱石や芥川龍之介、泉鏡花らは、理不尽な力関係や人間心理の残酷さを描く場面で「嬲る」という表記を意図的に選択している。活字の視覚効果によって、読者の心理に微細な不安やサディズムの気配を呼び起こす装置として機能していたのだ。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。