長年タブー視されてきた元幹部たちの消息を追うと、驚くべき事実が次々と浮かび上がってきた。独自の取材網によって接触に成功した元歴代幹部の一人は、現在50代を迎え、表向きは都内で複数の飲食店やIT関連会社を経営する実業家として手腕を振るっていた。だが、その眼光は当時の鋭さを微塵も失っていない。「あの頃の仲間で、真っ当に生きている奴は半分もいない」と彼は低く濁った声で吐き捨てた。
実際、組織の肥大化とともに宇田川警備隊は純粋なストリートグループから変質を遂げていった。資金源を確保するために暴力団組織のフロント企業と接触を持ち、闇金融や違法風俗の用心棒代ビジネスへと深く傾倒していった残党も少なくない。一部の幹部は暴力団直参の組員へと盃を受け、地下社会の中枢へと吸い込まれていった。一方で、海外へ逃亡したまま消息を絶った者や、凄惨な内部抗争の果てに命を落とした者もいる。自由と仲間を求めて集まったはずの少年たちが、いつしか巨大な裏社会の暴力構造に組み込まれていった過程は、あまりにも残酷な時代の断面を映し出している。