最先端テクノロジーの熱気に包まれる一方で、脈々と受け継がれてきた伝統文化もこの街の確固たる根幹だ。古くから石狩川の恵みとともに歩んできた水産業は、いまなお地域の誇りである。秋になると石狩川を遡上する鮭は、人々の暮らしと食文化を支え続けてきた。
その最たる象徴が、全国的に知られる郷土料理(石狩鍋)だ。新鮮な鮭のぶつ切りを、大根や豆腐などの具材とともに味噌仕立ての出汁でじっくりと煮込む。隠し味に加えられる山椒の香りが、素材の旨味を極限まで引き立てる。寒風に晒された身体を芯から温めるこの鍋は、厳しい自然とともに生きてきた開拓者たちの知恵と愛情が生み出した傑作に他ならない。