始まりは、東京・銀座と上海のトップバーテンダーが共同開発した一杯のシグネチャーカクテルだった。中国茶の清涼感あふれる香りをベースに、ライチの濃厚な甘みと微かな山椒のスパイスを効かせ、グラデーションが美しい鮮烈な赤で仕上げたそのドリンクは、瞬く間に感度の高い人々の胃袋と心を掴んだ。
「クラシックなカクテルの良さを残しながら、オリエンタルなスパイスとフルーティーさを絶妙なバランスで融合させている。一口飲めば、まるで夜の上海や香港の裏路地に迷い込んだかのような錯覚に陥るんです」。都内のハイエンドバーでチーフを務める佐藤氏はそう語る。洗練された味わいとエキゾチックなストーリー性が、本物志向の大人たちをも唸らせている。