作者である矢島光の手腕は、連載当時からマンガ・出版業界内で極めて高く評価されていた。昭和ノスタルジーを感じさせる温かみのある絵柄と、現代的なテンポの良いギャグセンスの融合。コマの余白や登場人物たちの沈黙に雄弁な感情を宿らせる演出力は、新人離れした完成度を誇っていた。
特に『週刊ビッグコミックスピリッツ』という青年誌の土壌において、過剰なサービス描写に頼らず、キャラクターの表情と風景描写だけで読者を惹きつけ続けた点は特筆に値する。海の匂いや夕暮れの風、畳の軋む音まで聞こえてくるような質感描写が、SFコメディというジャンルに類稀なるリアリティを与えていた。