近年の大ヒット作を振り返ると、髪色におけるグラデーション技法の進化は止まる所を知らない。『鬼滅の刃』では、毛先に向かって鮮やかな異なる色が混ざり合うユニークな髪色が採用され、時代劇風の世界観にポップで強烈な現代的アクセントを加えた。毛先の差し色は、キャラクターの持つ属性を直感的に伝える役割も果たしている。
一方、スピーディーかつダークな世界観で世界を魅了するMAPPAの映像表現では、彩度をあえて抑えたリアルな陰影処理と、戦闘シーンで一瞬魅せる鮮烈な色彩の対比が光る。血煙やネオンの光を受ける髪の色彩変化は、キャラクターの緊迫した心理状態を雄弁に物語り、アニメーションにおける色彩の新たな可能性を切り開いている。