死亡保障に限定してみれば、受取人がいない独身者にとって高額な終身保険や定期保険が不要であるという主張は一理ある。だが、生命保険業が提供する商品は死亡時の遺族補償だけに留まらない。一人身であるからこそ、自身が病気や怪我で倒れた際に家計を支えてくれる家族が存在しないという厳しい現実に直面する。
実際、急な入院や長期間の療養が必要になった場合、家賃の支払いや日常の生活費は容赦なく口座から引き落とされていく。貯金を取り崩すだけの生活が長引けば、精神的な追いつめられ方は想像以上だ。守るべき家族がいないからこそ、自分自身の生活そのものを防御するリスクマネジメントが不可欠になる。