アメリカのメジャーリーグ(MLB)と日本のプロ野球(NPB)では、バックスクリーンに対する美学や空間の使い方に興味深い違いがある。MLBの球場では、中堅奥に「バッターズ・アイ(Batter's Eye)」と呼ばれる無地の背景スペースが設置されているが、そこは単なる「打者の視界確保のための背景」としてシンプルに設計されていることが多い。岩場や滝を模したエンゼル・スタジアムのような例外はあるものの、基本的には実用性が重視される。
一方、日本の球場においてバックスクリーンは、歴史的なホームランの着弾点としてのアイコンであり、ファンにとっての「聖地」としての意味合いが強い。特に甲子園のバックスクリーンは、緑色のスクリーンの象徴的な佇まいも含め、野球文化の象徴として語り継がれている。バックスクリーンに飛び込む一発は、日米を問わず観客を興奮させるが、日本ではどこかロマン主義的な特別感が伴うのだ。