不動産取引の公正化を進める国土交通省のガイドラインや実態調査を見ても、礼金の相場は全国一律ではない。一般的には家賃の「0〜2ヶ月分」が定相場とされてきたが、この数年でその常識は静かに崩れ始めている。
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の加盟店動向などを見渡すと、都心の超人気エリアや新築・築浅のハイグレード物件では依然として「礼金1〜2ヶ月」が強気のまま維持されている一方、地方都市や築古物件では「礼金ゼロ」を掲げて入居者を募るケースが急増している。供給過剰なエリアでは、礼金を取ること自体が入居者獲得の大きな足枷になるためだ。
つまり、礼金は建物の価値というより「そのエリアにおける貸し手と借り手の力関係」をそのまま映し出す鏡といえる。