世帯視聴率という指標の限界を白日のもとに晒し、作品性の高さで批評家と視聴者の心を鷲掴みにしたのが、『大豆田とわ子と三人の元夫』と『コントが始まる』の2作です。
坂元裕二脚本による『大豆田とわ子と三人の元夫』は、大豆田とわ子と三人の元夫 評判の高さが口コミで広がり続けた象徴的一作です。バツ3の住宅会社社長・大豆田とわ子(松たか子)と、彼女に未練を残す元夫たち(松田龍平、角田晃広、岡田将生)が織りなす関係性は、既存の恋愛ドラマやホームドラマの定型を鮮やかに解体しました。STUTSプロデュースによる毎話異なるエンディングテーマとラッパーの客演、市川実日子演じる親友・かごめをめぐる切実なエピソードなど、細部まで研ぎ澄まされた美学は「テレビドラマが到達しうる芸術性の最高峰」として絶賛されました。
そして、金子茂樹脚本の『コントが始まる』は、今なお語り草となっている奇跡のアンサンブルドラマです。何より特筆すべきはコントが始まる キャストの豪華さでした。お笑いトリオ「マクベス」を演じた菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀に加え、彼らを見つめる姉妹役の有村架純、古川琴音。実力派の同世代俳優が真正面からぶつかり合い、各話冒頭のショートコントが本編の伏線となって回収される緻密な構造は圧巻の一言でした。夢を諦めることの残酷さと、その先にある人生への祝福を描いた物語は、モラトリアムを経験したすべての世代の涙を誘いました。