東大入試における最大の盲点とも言えるのが、文科一類に合格したからといって法学部での学びが100%思い通りになるわけではない点です。東京大学では2年次の夏期に「進学選択(旧称:進学振り分け=通称・進振り)」が行われます。
制度上、文科一類の定員(約400名)に対して、法学部の指定科類受入枠は約350名分用意されています。大半の文一合格者は法学部へ進学できますが、教養学部前期課程(駒場キャンパス)での成績(基本平均点)が著しく低い場合、希望通りの内定が得られないリスクがゼロではありません。文一から法学部への「最低進学点(底点)」は、年度によって全科類枠や要求科目の関係で50点台〜60点前後で推移しており、極端な留年危機に陥らない限りは進学自体を確保できます。
しかし、本番は法学部に進学した後の「類(コース)分け」にあります。東大法学部には以下の3つの類が設置されています。
- 第1類(法学総合コース):基礎から応用まで幅広い法分野を網羅的に学ぶ伝統的コース。
- 第2類(法律プロフェッショナルコース):司法試験や法曹実務を目指す学生向けで、実定法を中心に高度な演習を組むコース。
- 第3類(政治コース):政治思想・行政学・国際政治を主軸に学び、政策立案や研究者、ジャーナリズムを目指すコース。
現在、在学中や早期の司法試験予備試験合格を目指す学生が集中するのが「第2類」です。第2類の配属枠には人気が集中しやすく、駒場時代の平均点上位者から優先して埋まる傾向があります。さらに、文科二類・文科三類や理科各類から法学部を目指す「全科類枠」では、進振り底点が75点〜80点以上という高得点争いになるケースもあり、他科類から東大法学部へのルートは極めて狭き門となっています。