「何としても筑波大学の看板が欲しい」と願う受験生の間で、毎年のように噂されるのが「穴場学類」の存在です。ネットの掲示板やSNSでは、生命環境学群地球学類や理工学群化学類、あるいは人間学群障害科学類などが「偏差値が低く入りやすい」と紹介されるケースが散見されます。
しかし、近年の倍率推移と入試制度の構造を検証すると、安易な穴場狙いが致命傷になりかねない現実が浮き彫りになります。
例えば、地球学類や生物資源学類は、共通テストボーダーが72%〜74%、二次試験偏差値が57.5と、数値上は学内でも下位に位置します。そのため、「共通テストで失敗した受験生」が大量に駆け込み出願する現象が数年周期で発生します。過去3年間の一般選抜志願倍率を見ると、前年に倍率が低下した学類が翌年に志願倍率4.0倍を超える急騰を見せる「隔年現象」が顕著です。
さらに見落としてはならないのが、筑波大学特有の二次試験科目配点の落とし穴です。理工学群や生命環境学群の一部では、共通テスト配点と個別学力検査配点の比率がおよそ1:1に設定されています。数学や理科(物理・化学・生物)の記述問題は、旧帝大と同レベルの本格的な思考力・記述力を問う問題が出題されるため、「共テ逃げ切り」を図った受験生が二次の記述力不足で大量に逆転不合格を喫しています。
結論として、真の意味での「楽に入れる穴場」は筑波大学には存在しません。強いて戦略的な狙い目を挙げるならば、配点比率で自分の得意科目が突出して有利に働く学類(例えば理科2科目の配点が高い学類で理科の完成度が高い受験生など)を特定し、見かけの倍率変動に左右されずに対策をやり切るルートだけが実質的な勝機を生み出します。