『妖怪ウォッチ』という作品の奥深さは、メディアミックスの展開形態によってフミちゃんの立ち位置が柔軟に変化した点にあります。特にゲームシリーズ初期において、彼女は単なる守られるヒロインではなく、プレイヤー自身が投影できるアクティブな主人公でした。
ゲーム版の妖怪ウォッチ フミちゃん編 主人公ルートでは、腕時計型ではなく首から提げるロケットペンダント風のウォッチを着用しており、その可憐なビジュアルと専用アニメーションは当時から熱烈な支持を集めました。一方、アニメ版ではケータの日常を象徴する一般人として配置されたことで、視聴者にとって「普通の世界の住人」という安心感をもたらすアンカーの役割を果たしていたのです。
この多彩な表情を声で支え続けたのが、フミちゃん 声優 遠藤綾の卓越した演技力です。遠藤綾は同作で人気妖怪「コマさん」「コマじろう」なども兼任しており、少女特有の透明感あふれる声色から、コミカルな妖怪憑依シーンの怪演、さらには大人の母性を帯びた落ち着いたトーンまでを見事に使い分けました。キャストの確かな力量が、キャラクターに実在感ある生命を吹き込んだと言えます。