趣里のキャリアにおける決定打となったのが、2023年度後期連続テレビ小説『ブギウギ』でのヒロイン・笠置シヅ子(劇中名:福来スズ子)役の好演でした。2471人が参加した厳しいオーディションを年齢制限ギリギリの32歳で勝ち取った趣里は、歌唱シーンも吹き替えなしで熱唱。劇中で見せたエネルギッシュなステージパフォーマンスは、かつて日本中を熱狂させた伊藤蘭のDNAが間違いなく息づいていることを証明しました。
そして同年末の第74回NHK紅白歌合戦において、視聴者を最も胸熱くさせたドラマが生まれます。母・伊藤蘭が特別企画でキャンディーズ解散以来46年ぶりに紅白のステージへカムバックを果たしたのです。NHKホールの会場では、審査員席やステージ袖から母の晴れ舞台を固唾をのんで見守る趣里の姿が捉えられました。
関係者の証言によると、本番前の楽屋周りでは、過剰に寄り添い合うわけでもなく、プロの表現者同士として短くアイコンタクトを交わす姿が印象的だったといいます。伊藤蘭が「年下の男の子」や「春一番」のメドレーを堂々と歌い上げた瞬間、客席で見せた趣里の溢れんばかりの笑顔と惜しみない拍手は、多くのメディアやSNSで「最高の母娘関係」「2023年を象徴する名シーン」として語り継がれています。