四半世紀以上にわたりプロサッカー選手として戦い抜いた高原が、44歳で現役引退を決断した理由について、メディアや記者会見で語った言葉には指導者・経営者としてのリアリズムが滲み出ていました。
最大の理由は、「クラブが次のステージ(JFL昇格・Jリーグ参入)へ進むにあたり、自分自身がピッチに立ち続けることが組織の成長スピードの制約になってはならない」という客観的な経営判断でした。2022年、地域CL(全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)を勝ち抜いてJFL昇格を果たした際、高原は選手兼監督兼オーナーという前代未聞の「一人三役」をこなしていましたが、チームの組織力が上がるにつれ、役割の分担と権限移譲が不可欠であると痛感したと振り返っています。
また、度重なる膝の負傷や肉体の限界と向き合いながらも「チームの勝利に必要な最後の1ピース」として肉体を研ぎ澄まし続けてきた中で、若い選手たちの台頭とチームの成熟を肌で感じ取ったことが、スパイクを脱ぐ決定打となりました。未練や感傷を一切見せず、チームの未来を最優先に下した決断は、アスリートの引き際として各方面から高い称賛を集めました。