都心の空に緑の群れ!ワカケホンセイインコ大量発生の真相と生態の全貌

都心の空に緑の群れ!ワカケホンセイインコ大量発生の真相と生態の全貌

都心の空に緑の群れ!ワカケホンセイインコ大量発生の真相と生態の全貌にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

南国のイメージが強いインコが、なぜ日本の冬を耐え抜いて大繁殖できたのか。その疑問を解く鍵は、原産地の環境と昭和のペット市場に隠されています。

日本鳥類保護連盟や国立環境研究所の侵入生物データベースによると、日本国内に定着しているのは主にインド南部やスリランカを原産とする亜種(学名:Psittacula krameri manillensis)です。温暖な低地だけでなく、標高1,600メートル級の高地や冷涼な気候にも適応できる強靭な耐寒性を備えています。日本の本州以南の冬は、彼らにとって生存不可能な寒さではありませんでした。

野生化の発端は、高度経済成長期にあたる1960年代後半から1970年代にかけて巻き起こったペットブームです。当時、中型インコとして大量に輸入されたものの、独特の甲高い大声や気性の荒さに持て余した飼い主による遺棄や、ケージからの脱走が相次ぎました。東京都内では1969年頃から練馬区などで野外繁殖が確認され始め、数十年をかけて徐々に世代交代を繰り返しながら都市環境に適応していった経緯があります。

さらに、都会特有の環境が繁殖を強力に後押ししました。イチョウの銀杏、ツバキやサザンカの種子、住宅街の庭木に実るビワや柿など、都市部には一年を通じて天敵の少ないエサ場が点在しています。カラスや猛禽類のプレッシャーを巧みにかわし、ビルの隙間や大木の樹洞をねぐらにすることで、天敵の不在という生態的空白を完全に掌握したのです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。