「めんべいを食べると太る」という噂は、単体の熱量の高さではなく、「1袋で絶対に終われない構造」に起因しています。この現象は、食品心理学でいう「至福点(ブリスポイント)」の形成によって説明がつきます。
食品科学の観点からめんべいを分析すると、デンプン質の糖質、調味油の脂質、そしてイカ・タコ・明太子が醸し出すグルタミン酸・イノシン酸といったアミノ酸複合体、さらに唐辛子のカプサイシンが絶妙な比率で調合されています。この強烈な旨味と刺激の組み合わせは脳内の報酬系を強力に刺激し、ドーパミンの分泌を誘発します。
1袋(2枚)だけであれば約72kcalにとどまりますが、「もう1袋だけ」と手を伸ばして4袋(8枚)を消費してしまえば、摂取熱量は一気に約288〜320kcal、糖質量も50g近くに跳ね上がります。これはコンビニのおにぎり約1.5個分、あるいはショートケーキ半分に匹敵するエネルギーです。
さらに、めんべいの濃い塩気は口内の渇きを誘発し、ビールやハイボール、加糖炭酸飲料といったアルコール・清涼飲料水の摂取量を無意識に押し上げる触媒となります。ネット上で「気づいたら激太りしていた」と報告するユーザーの多くは、めんべい自体の熱量に加えて、連食による糖質過多とアルコール・糖質飲料の併飲という複合的なカロリーオーバーに陥っているのが実態です。