なぜ最近物をよく落とすのか?病気の前兆と受診すべき危険サイン

なぜ最近物をよく落とすのか?病気の前兆と受診すべき危険サイン

なぜ最近物をよく落とすのか?病気の前兆と受診すべき危険サインの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。

私たちが指先で物をつまみ、持ち上げ、維持する動作は、極めて高度な生体ネットワークによって制御されています。目から入った視覚情報、皮膚が感知する触覚・圧覚、筋肉や腱の深部感覚が脳の頭頂葉へ送られ、運動野からの指令が脊髄・末梢神経を経由して指先の筋肉群へ届くことで、初めて「落とさずに持つ」という動作が成立します。

この経路のどこか一箇所でも機能低下を起こせば、無意識の把持力(握り続ける力)が抜け落ち、手元が狂ってしまいます。臨床現場において指摘される物をよく落とす原因は、大きく分けて以下の4系統に分類されます。

1つ目は「中枢神経(脳)の障害」です。運動指令を出す大脳や、力加減やバランスを司る小脳に血流障害や変性が起きると、本人の自覚がないまま指先への出力が遮断されます。

2つ目は「脊髄および末梢神経の障害」です。首の骨(頸椎)の変形による神経圧迫や、手首の靭帯による神経絞扼(こうやく)が起きると、指先への伝達速度が極端に遅延します。

3つ目は「全身の代謝・心因性疲労」です。激務や睡眠不足に伴う不注意と疲労のサイン、あるいは過度なプレッシャーによる自律神経失調症とストレスが交感神経を緊張させ、手指の血流低下と集中力の散漫を招きます。

4つ目は「神経発達に伴う協調運動の特性」です。幼少期から器用さに課題を抱える場合、成人に至って業務量が増加した局面で発達障害ADHDの特徴や不注意優勢の傾向が顕在化するケースも確認されています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。