多くのファンにとって「アリーナ当選」の報は歓喜の瞬間ですが、ヤンマースタジアム長居においては手放しで喜べないシビアな現実が存在します。それが、SNSやライブコミュニティで常に議論を呼ぶ「アリーナ埋もれ問題」です。
スタジアムのアリーナ席は、天然芝を保護する特殊な養生マットの上にパイプ椅子を並べる平坦な構造で作られます。つまり、床面の傾斜(段差)が一切存在しません。ステージ構成にもよりますが、一般的なメインステージが北側(または南側)に組まれた場合、縦方向にA〜Gブロック程度まで配置され、最前ブロックから最後列までは100メートル以上の距離が生じます。
現場取材および来場者の証言を総合すると、アリーナ席の視界は以下のように残酷な二極化を見せます。
「A〜Bブロックの前方席や、花道・センターステージ周辺のブロックは、肉眼でアーティストの汗や表情が鮮明に確認できる文字通りの『神席』です。しかし、Dブロック以降のアリーナ中後方になると、前の人の頭や掲げられたペンライト、公式うちわが視界を隙間なく塞ぎます。身長が160cm以下の方からは『巨大モニターの上半分しか見えなかった』『音と振動を体感しに行った感覚』という痛切な声が頻繁に上がっています」(ライブツアー担当記者)
フラットな足場ゆえに、前方ブロック以外のアリーナ席では「ステージ上の本人の姿」を直接捉え続けることは物理的に困難を極めます。アリーナ座席表が当日発覚した際、後方列であった場合は、肉眼での観覧に固執せず、左右の巨大LEDビジョンと空間演出全体を楽しむマインドセットへの切り替えが求められます。