Q1:うつ病の人が急に部屋の片付けを始めたり、大切にしていた物を人に譲ったりするのは危険なサインですか?
A1:極めて危険性の高いサインです。精神医学において「身辺整理」は、衝動的な自死を決意した当事者が周囲への負担を減らそうとして行う典型的な行動とされています。特に、それまで無気力で寝たきりだった人が突然穏やかな表情になり、片付けや感謝の連絡を始めた場合は、速やかに主治医や精神保健福祉センターへ連絡し、決して一人にさせない見守り体制を敷く必要があります。
Q2:本人が「自分はうつ病ではない」「精神科には行かない」と頑なに拒否する場合、どう対応すべきですか?
A2:精神科や心療内科という言葉に強い抵抗感やスティグマ(偏見)を抱いているケースが多いため、無理に精神科を受診させようとするのは逆効果です。まずは「不眠が続いていて体が辛そうだから、睡眠外来(または内科)で睡眠薬を処方してもらおう」「自律神経の検査を受けに行こう」と、本人が自覚している身体症状の治療を名目に受診を促すアプローチが極めて有効です。
Q3:職場で遅刻が増え、ミスが目立つようになった部下や同僚に対して、どのように声をかけるのが適切ですか?
A3:「最近たるんでいる」「しっかりしろ」といった叱責や指導は症状を急速に悪化させます。「体調が悪そうに見えるけれど、睡眠や食事は取れているか」と健康状態を気遣う事実ベースの問いかけを行ってください。その上で、業務の割り振りを見直し、速やかに社内の産業医面談や専門医の受診を業務命令として促すなど、組織的な安全配慮義務に基づいた対応を進めることが求められます。