ネットの掲示板やSNSを検索すると、「千葉工大はFランから脱出するために志願者を水増ししているだけ」「見かけの倍率が高いだけで誰でも受かる」といった過激な論調が散見されます。こうしたネットの評判や反応の背景にある「誤解と盲点」を冷静に解剖する必要があります。
批判派の根拠となっているのが、見かけの志願倍率と「実質倍率」の乖離です。共通テスト利用方式で検定料を無料化した結果、見かけの倍率が20倍〜30倍に達する学科が続出しますが、実際には合格者が大量に出されるため、千葉工業大学の実質倍率は前期一般入試で2.0倍〜3.5倍程度に落ち着きます。さらに、無料だからと出願した難関大志望者が合格してもそのまま辞退するため、実際の入学辞退率は非常に高くなります。
「何万人も出願しているのに、辞退者が続出している」という数字の一面だけを切り取れば、「中身の伴わない人気」に見えるかもしれません。しかし、これは現代の私立大学入試における極めて合理的な生存戦略です。辞退率が高かろうと、合格ラインを高く設定すれば、上位層が抜けた後の最終入学者の学力水準も底上げされます。
「志願者数稼ぎの虚構」と嘲笑する声の裏で、大学側は確実に優秀層を確保し、キャンパスの設備投資に還元するサイクルを回しています。ネット上の時代遅れなレッテル貼りを鵜呑みにして実態を見誤ると、思わぬ足元をすくわれることになるでしょう。