千葉工業大学の偏差値推移を客観的に辿ると、教育業界が驚愕した変化の軌跡がはっきりと見えてくる。2010年代初頭、同校の多くの学科は河合塾の偏差値で40.0〜42.5付近に位置し、首都圏の理系志望者にとっては「確実に受かるセーフティネット」としての色彩が強かった。ところが2020年代に入ると状況は一変し、2026年現在の入試データでは全体偏差値が47.5〜55.0へと押し上げられている。
牽引役となっているのが、先端技術に特化した情報系・AI系の学科群だ。特に2024年に新設された情報変革科学部の難易度は群を抜いており、個別日程の前期選抜であっても偏差値52.5〜55.0をマークする。これは日東駒専の理工系学部と同等、あるいは学科によっては芝浦工業大学を除く四工大(東京都市大・東京電機大・工学院大)の下位〜中位学科に匹敵、あるいは一部凌駕する水準だ。
都内大手予備校の理系進路指導担当者は、現場の変化を次のように明かす。
「5〜6年前であれば、芝浦や明治の理工を第一志望にする生徒に対し、千葉工大は『何があっても受かる安全校』としてリストアップしていました。しかし現在、その感覚で出願させると痛い目を見ます。一般入試のボーダー得点率が跳ね上がっており、理系標準問題を確実に完答できる学力がなければ、あっさりと弾かれる大学に変貌しました」
底上げされたのは上位層だけではない。かつて偏差値37.5〜40.0程度で推移していた機械系や土木系の学科も、現在では45.0〜47.5に安定して張り付いており、大学全体として「学力の下限値」が大幅に切り上がっていることが数値から証明されている。