ブラッシングに恐怖心を抱いている愛犬に対して、最初から歯ブラシを口に入れてはいけません。獣医師推奨の犬用デンタルケアは、感覚の脱感作を用いたスモールステップで進めます。
ステップ1は「口周りに触れられることへの報酬づけ」です。リラックスしている状態の愛犬のマズルに一瞬指を触れ、即座に大好物のオヤツを与えます。「口に触られる=良いことが起きる」という条件づけを3〜5日間かけて徹底します。
ステップ2では、指先に好みの味の犬用デンタルジェルを適量乗せ、愛犬に舐めさせます。慣れてきたら、舐めさせながら指先で上唇を少しめくり、前歯や犬歯の表面を指の腹で数秒撫でます。この段階でも決して無理に奥歯まで突っ込んではいけません。
ステップ3で初めてデンタルシートを導入します。指に巻いたシートにジェルを馴染ませ、最も歯石がつきやすい「上顎の奥歯(第4前臼歯)」の外側だけを左右2〜3秒ずつサッと拭います。内側(舌側)は唾液の流れによって比較的歯垢がつきにくいため、まずは外側面だけを集中的にケアすれば全体の7割以上のプラーク沈着を防ぐことが可能です。全体を1日わずか2分以内で終わらせ、最後に必ず思い切り褒めてオヤツを与えることが、長期的な習慣化を実現する極意です。