ネット上の就職偏差値ランキング等で「隠れ優良職種」の筆頭に挙げられる大学職員ですが、現場の当事者たちは「大学職員が勝ち組というのは完全な嘘とまでは言えないが、極端な切り取りに過ぎない」と口を揃えます。世間が抱く「定時で帰れて1000万円プレーヤー」という神話は、首都圏や関西圏の大規模名門私立大学など、ごく限られた一握りの法人のモデルケースが一人歩きした結果です。
実際の労働環境と待遇は、学校法人の母体規模や設置区分によって劇的に分断されています。私立大学職員の年収と評判を調査すると、上位私大では40代で年収1000万円前後に到達する法人が存在する一方、地方の中小私大では同年代でも年収450万〜550万円程度にとどまるケースが散見されます。さらに「国立大学法人職員を辞めたい」と漏らす若手・中堅の退職理由を精査すると、国家公務員の給与体系に準拠しているため民間大手のような派手な昇給は見込めず、地方都市の公務員と同水準の給与に対して重い学内調整業務が課されるギャップに苦しんでいる実態が見えてきます。
手記を公開した元私立大学職員のA氏(30代男性・7年勤務)は、大手メディアの取材に対して次のように述懐しています。「周囲からは勝ち組と羨ましがられましたが、実態は朝から晩まで教授陣の機嫌伺いと学生のクレーム対応に追われ、精神的消耗が激しかった。給与明細の数字だけを見て『楽そう』と飛び込むと、想像を絶する違和感に襲われることになります」。