周囲や教員から「授業への態度が不真面目だ」「夜更かししているからだ」と責められ、本人も深く悩みながらどうしても睡魔に勝てない場合、精神論で解決を図るのは極めて危険です。その背後には医学的な疾患が隠れているケースが少なくありません。
授業中寝てしまう原因と病気の代表例として、思春期に好発する過眠症の一種である「ナルコレプシー」や「特発性過眠症」が挙げられます。ナルコレプシーは脳内のオレキシンと呼ばれる覚醒維持物質が不足することで、意図しないタイミングで急激に意識が遮断される病気です。笑ったり驚いたりした瞬間に体の力が抜ける「情動脱力発作」を伴うことも特徴です。
また、朝起きられず午前中の授業で強いだるさと眠気を感じる生徒の中には、自律神経の調節機能が乱れる「起立性調節障害(OD)」に該当する事例が多発しています。さらに、寝ている間に扁桃肥大やアデノイドが原因で気道が狭まり、十分な深睡眠が取れなくなる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」や、女子生徒に多い「鉄欠乏性貧血」も、昼間の耐え難い眠気の温床となります。「どんなに寝ても眠い」「授業中に身体が鉛のように動かなくなる」という状態が週に3日以上、数ヶ月にわたって続く場合は、自己判断で抱え込まず、睡眠外来や小児科・心療内科を受診することが肝要です。