みかんの皮を乾燥させる手法は、手軽さ、仕上がりの香り、所要時間によって大きく4通りに分かれる。それぞれの特性を数値データと現場検証から比較したものが以下の表である。
みかんの皮の電子レンジ乾燥法|焦がさずパリパリにする技術
時間のない読者に圧倒的におすすめなのが、電子レンジを用いた急速脱水だ。ただし、一気に数分加熱すると糖分を含んだ皮の中心から炭化し、発煙や焦げ臭の原因になる。
失敗を防ぐ手順は次の通りだ。まず皮を5ミリから1センチ四方の大きさに手でちぎるか包丁で刻み、耐熱皿の上にクッキングシートを敷いて重ならないように平らに並べる。ラップは絶対にかけない。600Wで1分加熱したら一度取り出し、皿の底についた水滴を拭き取りながら皮の表裏を裏返す。これを2〜3回繰り返し、最後は30秒刻みで様子を見る。手で触れて「硬く、パキッと割れる」状態になれば完成だ。
天日干しでのカビ防止対策|伝統の自然乾燥を成功させる3原則
太陽の光と乾いた寒風を利用する天日干しは、電気代ゼロで極めて香りの良い陳皮を作る基本形だ。しかし、最も多い失敗が「乾燥途中のカビ発生」である。これを完璧に防ぐには3つの絶対条件がある。
第一に、皮の内側の白いワタ部分(アルベド)を上に向けてザルに並べること。水分が蒸発しやすい構造面を風通しの良い空気に直接触れさせるためだ。第二に、竹ザルや網状の干し野菜用ネットを使用し、底面の通気性を確保すること。平皿などに置くのは厳禁である。第三に、夕方以降の夜気や夜露に絶対に当てないこと。太陽が沈む前の15時頃には室内の乾燥した部屋に取り込み、翌朝再び外に出すサイクルを4〜7日間徹底する。皮を爪で押しても跡がつかず、ポキリと小気味よく折れるまで水分を抜き切ることが不可欠だ。
フードドライヤーによる時短乾燥法|温度設定の最適解
家庭用食品乾燥機(フードドライヤー)を所持しているなら、これを使わない手はない。天候の急変を気にするストレスから完全に解放されるからだ。設定温度は55℃から65℃の範囲がベストである。70℃を超えると有効成分のリモネンが揮発しやすくなり、香りが飛んでしまう。約5〜6時間稼働させるだけで、雑菌の繁殖隙間を与えずに美しい橙色を保ったまま完全乾燥できる。