公の場に姿を見せないことから、滝崎氏の私生活には多くの関心が寄せられています。滝崎武光氏の自宅は、関西有数の高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市に構えられており、広大な敷地を誇る邸宅ですが、華美な装飾を誇示するような佇まいではなく、落ち着いた風格を備えています。
また、同族経営が多い日本のオーナー企業において、息子の後継問題に対する滝崎氏の姿勢は極めて明確です。キーエンスでは「世襲の完全禁止」が方針として貫かれています。滝崎氏の長男である滝崎武史氏は、財団やグループ関連の役員に名を連ねることはあっても、キーエンス本社の代表取締役や経営トップに就くことはありません。
2000年に社長の座を退き、2015年に取締役名誉会長に就任して以降、滝崎武光氏の現在は日常の経営執行を完全に後進のプロ経営陣に委ねています。自らが去っても永続的に成長し続ける組織の仕組みを完成させたことこそ、創業者としての最大の功績と言えるでしょう。