現役横綱の突然の訃報は、日本列島に巨大な衝撃を与えました。中でも最大の精神的打撃を受けたのが、同い年のライバルであり無二の親友だった第52代横綱・北の富士です。二人は巡業先でも行動を共にし、切磋琢磨しながら昭和の大相撲を牽引する盟友関係にありました。
知らせを受けた北の富士は病院へ駆けつけ、変わり果てた玉の海の遺体と対面。「なんでお前が死ぬんだ!」「俺はこれから誰と相撲を取ればいいんだ」と取り乱し、遺体にすがりついて号泣したエピソードは、今も角界の涙雨として語り継がれています。
一人残された北の富士は深い孤独と喪失感に苛まれながらも、玉の海の魂を背負って土俵に立ち続けました。玉の海の急逝によって「北玉時代」はわずか2年足らずで幕を閉じましたが、二人が見せたハイレベルな土俵は、今なお大相撲史における黄金カードとして色褪せていません。