そもそもこの言葉の背景には、日本古来の「うまし糧(かて)」という言葉と、現代のジビエ(野生鳥獣肉)カルチャーの融合がある。馬(うま)と鹿(しか)、そして人の手(て)によって生み出される恵み。これらを掛け合わせた造語が、いつしか独自のコミュニティを形成する合言葉となった。
週末の表参道。行列の先にあるのは、スタイリッシュな木製カウンターだ。提供されるのは、スパイスとハーブでじっくりと煮込まれたジビエ料理。これまでの「臭くて硬い」というジビエのイメージを覆す、極上の柔らかさと深い旨味が五感を刺激する。訪れた客は一様に、スマートフォンのカメラを向けながらも、その味の虜になっている様子だ。