一般のスポーツ愛好家や学生が「バイアスロンを始めたい」と思い立っても、ほぼ門前払いとなってしまう最大の障壁が、日本における銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の極めて厳しい規制です。
バイアスロンで使用される競技用ライフルは、口径22(約5.6ミリ)のリムファイア弾を使用するスモールボア・ライフル(小口径小銃)です。日本国内において一般市民がライフル銃を所持するには、原則として「散弾銃を継続して10年以上所持した実績」が義務付けられています。例外的に公益社団法人日本スポーツ協会などの推薦を受けた競技用ライフル所持枠が存在するものの、その審査基準は極めて厳格であり、推薦枠の数自体にも上限が設けられています。
仮に推薦枠の条件をクリアしたとしても、保管場所の施錠設備、保管状況の警察による定期的な立ち入り検査、火薬類取締法に基づく弾薬の厳格な購入・消費管理など、個人で背負うべき管理責任は極めて重いです。高校や大学が部活動としてバイアスロン部を創設しようとしても、学校敷地内に実弾とライフルを安全に管理できる保管庫を設置することは、防犯面・管理責任の観点から現実的ではありません。
対して自衛隊員の場合、防衛省の管理下にある駐屯地内の武器庫で厳重に銃器を保管・管理し、敷地内の専用射撃場で合法的に反復訓練を行うシステムが完全に整備されています。「銃を日常的に扱える法的な基盤があるかどうか」――この一点こそが、一般人が参入できず、自衛隊員だけが代表の座を占める最大の決定打となっています。