蚊のターゲット選定において、血液型の影響を凌駕するほど決定的な事実として近年大きな注目を集めているのが「足の常在菌」の存在です。
このメカニズムを世界的な発見へと導いたのは、当時高校生だった田上大喜氏(現・研究者)による実験でした。「妹ばかりが蚊に刺される」という日常の違和感から着想を得た同氏は、妹の靴下や足の皮膚に存在する菌叢を詳細に培養・分析。その結果、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の間には、菌の「量(多さ)」ではなく、「足の常在菌の種類の多様性」に決定的な差があることを突き止めました。
皮膚には誰にでも多種多様な常在菌(ブドウ球菌属やコリネバクテリウム属など)が存在しています。これらの菌が皮脂や古い角質を分解する過程で、イソ吉草酸をはじめとする極めて微量の脂肪酸代謝物が生じます。この匂い物質のブレンド比率が、蚊にとっては「吸血可能な獲物がすぐそこにいる」ことを告げる抗いがたい誘引シグナルとして機能しているのです。
実際に、刺されやすい妹の足を消毒用エタノールを含ませたシートで足首から足裏、指の間まで入念に拭き取ったところ、蚊に刺される数が3分の1にまで激減したという実証データが得られました。
SNSやネット掲示板を調査しても、現場での生々しい声が数多く散見されます。
「自分だけ蚊に刺されまくるのでO型の呪いだと思っていたが、外出前に足裏を薬用ソープで洗い、アルコールで拭くようにしたら激変した」
「庭仕事の前にサンダルから清潔な靴下に履き替えるだけで、虫刺されの頻度が目に見えて減った」
こうした体験談は、刺されやすさの本質が「変えられない血液型」ではなく、「コントロール可能な皮膚環境」にあることを何よりも雄弁に物語っています。