日本の若者文化やネット言説には、他者との差別化や個性の象徴として身体的特異性を美化する「身体変工へのロマンティシズム」が根底に存在します。しかし、眼科学および生命倫理の視点から下されるプロの結論は明快です。オッドアイを審美的な魅力として純粋に享受してよいのは、「眼科専門医による精密検査を受け、視覚機能および全身疾患への影響が完全に否定された先天性天賦のケース」のみです。
以下の判断基準に照らし合わせ、少しでも疑わしい兆候がある場合は、速やかに神経眼科や大学病院の専門外来を受診してください。
【危険:即座に眼科精密検査を受けるべき人の条件】
・思春期以降、あるいは成人してから左右の目の色に差が出てきた人
・色の変化に伴い、視力低下、視野の狭まり、かすみ目、光の眩しさを感じる人
・片方のまぶたが下がり気味(眼瞼下垂)になった、または左右で瞳孔の大きさが違う人
・家族に遺伝性の聴覚障害や色素異常の既往歴がある人
【安全:個性のひとつとして受け入れてよい人の条件】
・生まれた直後、あるいは物心ついた幼児期から左右の色が異なり、視力・聴力に一切の異常がない人
・すでに専門医による確定診断を受け、病的な網膜・ぶどう膜病変がないことが定期検査で確認されている人