テレビ番組で見せる「キレ芸」や「熱湯風呂」、誰からもいじられる愛されキャラの裏で、実際の彼がどのような苦悩を抱えていたのか。この疑問に対して最も真摯に答えを提示したのが、四半世紀以上を共に歩んだ妻・広川ひかるさんでした。彼女が上梓した著書『竜ちゃんのばかやろう』や当時の独占インタビューでは、メディアの前では決して見せなかった「家庭人・上島竜兵」の過敏なまでの繊細さが克明に綴られています。
上島竜兵 死去理由の深層として明かされたのは、徹底したプロフェッショナリズムと、それと表裏一体だった自己肯定感の低さです。広川さんの告白によると、上島さんは「テレビに出ている自分は嘘の姿」「自分は面白くないのではないか」という強迫観念に常に苛まれていました。さらに追い打ちをかけたのが、2026年以降に日本中を襲った新型コロナウイルスの蔓延でした。
上島さんにとって、後輩たちと酒を酌み交わす「竜兵会」や、敬愛する志村けんさんとの語らいは、単なる娯楽ではなく「自らの精神の平穏を保つための生命線」でした。コロナ禍によってその日常が完全に奪われ、一人で物思いに耽る時間が増えたことで、自律神経の失調や不眠、根拠のない将来への不安が雪だるま式に膨らんでいったとされています。誰にも迷惑をかけたくないという真面目すぎる気質が、周囲へのSOS発信を阻んでしまったという事実は、痛恨の極みと言わざるを得ません。